2020年10月26日

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第1882例会

 

 

リーガロイヤルホテル広島

ゲスト卓話
「ESG投資の潮流と法人運用動向」

 

 

 

 

岡三証券株式会社 広島支店 
法人課主任 長谷川 仁美 様

 

 

 本日は、このような機会を頂戴し、誠にありがとうございます。
 少しでも皆様のお役に立てればと、この時間は、「ESG投資の潮流と法人運用動向」についてお話をさせて頂きます。
 世界各地で異常気象が頻発しています。今年に入ってからは、オーストラリアの森林火災や米国での熱波による山火事、アフリカや中東などでは4,000億匹といわれるバッタの大量発生で、農作物に甚大な被害が出ています。国内でも7月の九州豪雨や、上陸は避けられたものの、過去最大級の勢力となった台風10号など、“これまで経験したことがない”自然災害が例年のように発生しています。
こうした異常気象は、産業革命以降の社会活動による、二酸化炭素などの温室効果ガスの上昇により、地球温暖化が進んだ影響と指摘されて久しゅうございます。今や地球全体のリスクとして捉えられ、世界各国や企業は、環境や社会に配慮した行動が求められているのです。
 そして、今回の新型コロナの感染拡大は世界経済をはじめ、人々の生活に多くの影響を与えました。社会活動や環境への意識はコロナ前に比べて、高まったと言えます。投資の世界でもESG やSDGsといった、環境・社会・経済面で国際社会の共通課題に取り組む企業を評価する動きが強まっています。特に、コロナ感染拡大の収束や景気への見通しが不透明な中で、中長期視点のESG・SDGs投資は有効と言えるのではないでしょうか。ここで、ESG・SDGsについてご説明致します。「ESG」:環境(E)、社会(S)、企業統治(G)を考慮することで、企業の持続的な成長を実現することを目指す考え方です。また、「SDGs」:Sustainable Development Goals の略で、「持続可能な開発目標」の意、2015年に国連サミットで定められた国際目標で、2030年までに達成すべき国際社会の共通課題として17の目標が盛り込まれています。
 今月の日経新聞にて、『個人投資家の投資マネーがESGに対し、今年1〜9月において、過去最高の7200億円流入した』との報道や、『日本生命が2021年から、全運用資産でESGの観点を考慮した運用に乗り出す』、との報道からも観られる様に、この日本においても、個人・機関投資家がESG投資に本腰を入れてきたことが判ります。
 投資行動の物色面では、環境に配慮した製品やサービスを展開する企業や脱炭素関連など国際的な流れに沿った企業が魅力的であります。また、喫緊の課題である社会インフラ整備のほか、働き方改革やIT推進なども、日本の潜在成長力を引き出し、ひいては課題解決に向けた持続可能性を高めることになるため注目することができるでしょう。
 続いては、法人運用動向についてです。広島県下の法人様の運用動向についてでありますが、法人態様によって、やはり運用ニーズは異なります。しかしながら、一つ言えることは、世界的な低金利下、金利埋没状況下において、例えば日本10年国債の利回りがほぼゼロになる等、リスクフリーの利回りがゼロとなり、債券運用に対する考え方、付き合い方が大きく変わってきております。この金利埋没下において、如何に効率的に、しかし安定的に運用利益を上げていくか、これまでの常識が通用しなくなっていると言えるのではないでしょうか。「マイナス金利」なる言葉を耳にされると思いますが、資本主義において、考えられない現象が起きています。株式やREITなどの運用ニーズも足元増加してきている印象です。各法人様におかれましては、長期的な展望と短期的な展望の狭間に立って、苦慮されている現状があります。
 そのような中、我々法人営業部門の社員は、お客さま個々のご意向や目的に沿って、日々フォローをさせて頂いております。冒頭のESG投資についての御相談は勿論、その他お困りのことがあれば、何なりとご相談頂ければ幸いです。金融機関として、広島経済を支えられる皆様方のお力になることこそ使命と認識し、今後も微力ではございますが、精進を重ねて参ります。今後ともご指導ご鞭撻の程、何卒宜しくお願い申し上げます。拙いお話でございましたが、最後までご清聴ありがとうございました。

 

 

 



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