2020年10月19日

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第1881例会

 

 

リーガロイヤルホテル広島

「我々の、周りのいきものについて」

 

 

 

 

嶋本 文雄 君

 

 

 今日の卓話は、自己紹介と最近研究しているテーマを少し話させていただきます。まず自己紹介ですが、1951年1月18日生まれ、山口県防府市の出身です。13年前に田原先生と藤村先生の紹介で入会し、現在修道大学健康科学部健康栄養科に勤務し、病理学を教えています。
 広島中央RCでは、この十三年間では主に職業奉仕、青少年奉仕の仕事をしてきました。活動としては、はじめて広島駅で日赤血液センター献血支援活動をしました。当時はロータリアンのみ活動でしたが、最近は県内7大学の学生さんにも協力してもらい、地球環境を考えるマイカー乗るまぁデー運動も一緒に献血支援活動を行うことができるようになりました。
 田原先生が2710地区のガバナーになられ、我々も地区の奉仕活動もするようになり、青少年委員長も担当し、2710地区の下関、宇部、徳山、広島、呉、福山RACの例会等の行事に参加しました。その様な活動をしたおかげで、30数クラブあったRACが6クラブになっている現状と、18歳から30歳までの青少年の支援がRCとしての一つの大きな奉仕と考えて、広島中央RCにもRACを設立することになりました。11人の大変優秀なアクターを各企業からおくっていただき、2710地区に第7番目のRACが誕生しました。現在の広島中央の献血支援活動は、広島中央ローターアクターが参加した100名近くの学生さんをうまくまとめてくれ、彼らによって広島中央RCの奉仕活動が成り立っています。
 このようなクラブ奉仕活動は、昨年逝去された前原さんを中心にした奉仕プロジェクト委員によって多くの有益な活動がなされてきました。前原さんは特に「命の重み」を一つのキーワードとして奉仕活動に生かされて、クラブの歴史を作られましたが、今後特に平和都市広島としてグローバル補助金を獲得して国際奉仕、そして広島RACを指導してほしいとの希望を弔辞に述べるよう希望され、闘病中も広島中央RCのことを大変心配されておられました。現在はこのような立派なロータリアンと一緒にクラブで活動できた13年間を大変感謝しています。
 さて次に今回の卓話のテーマ (我々の、周りのいきものについて)に移ります。
地球は約45億年前に誕生し、そこにしばらくして無生物から生物が誕生しました。出来たばかりの地球に原核生物のシアノバクテリア(藍藻)という植物の祖先である真正細菌があらわれ、光合成によって酸素をつくり、それを利用するミトコンドリアをもつ真核細胞が生まれました。その真核生物は飛躍的に進化、分化して植物、菌類、動物さらに約600万年前に人間が生まれてきました。その人間の遺伝子には、生物の共通祖先にウイルスが感染しており、その遺伝子が45%あるといわれ、我々はウイルスの遺伝子により人間になったとも言われています。そして人間は他の動物と違って脳(知能)が発達し、生き物の中で一番偉い生き物として、さらに食物連鎖の頂点にたち世界を支配してきました。
しかし現在の科学文明が作り出した社会が人間を病気にし、また地球環境がこわされて、我々のまわりの生き物や微生物も今までと違った生き方をしなければいけなくなりました。今の新型コロナウイルスは、今までは動物の中でのみしか生きられないものが、温暖化、環境変化で遺伝子変化をして、人の中でも生きられるようになり、今のパンデミックの状況を生じているのかもしれません。
 一方我々の最も身近な生き物で今まで問題視されていなかった生物が、体に生存している常在細菌です。皮膚に1兆、口腔に100億、胃に1万、小腸に1兆、大腸に1000兆、泌尿生殖に1兆の常在菌が我々と生活を共にしています。特に腸内細菌(500〜1000兆, 重量11.5kg)は、肝臓(1200〜1400g)脳(1350〜1400g)に比較しても我々の体の中では、主要な臓器に相当し、第2の脳とまで言われています。最近の研究では、生理的機能、種々の原因不明と言われてきた疾患、癌と腸内細菌との解明が進んできています。腸内細菌の機能としては、ビタミン合成、タンパク質合成、感染防御、腸内有害菌に拮抗、免疫刺激等大変重要な役割があります。有害な作用としては腸内腐敗(NH3+、H2S、アミン・フェノール)毒素、発がん物質、病原性発揮を示します。最近話題になった原因不明の潰瘍性大腸炎も腸内細菌が関与しているとも言われています。
 我々の腸内細菌の全体像は、腸内細菌の約4分の3が、納豆などの発酵食品に含まれている菌、皮膚などに存在する菌、土壌菌の仲間の菌で構成される「フィルミクテス門」の細菌類、や次に多いのが「バクテロイデーテス門」の細菌類で、これらは「日和見菌」と呼ばれている腸内細菌です。これに対して大腸菌類を含む「プロテオバクテリア門」の細菌などの悪玉菌やビフィズス菌などの善玉菌は、それぞれ約10%と言われています。しかしここで重要なのは、「善玉菌」、「日和見菌」、「悪玉菌」の数と割合が、大事な役割をしているようです。最近では、腸内細菌はそんなに簡単に善悪で分類できないので、悪玉菌と言わずに、「潜在的有害菌」、「潜在的有益菌」と分けて呼ばれています。実際には、これらの腸内細菌は、我々の地球上の人類が地球で争って生きているように、腸内では多種の細菌とコミュニケーションを取りながら、活性物質を放出して、生体の代謝、免疫等の生理的機能をコントロールしています。さらにこの腸内細菌の特徴として、人間が小児、青少年、中年、高齢者と年を取るにつれて、腸内細菌の割合が変化をする傾向を示していることが、分かってきています。
 したがって我々は病気に対応する多くの免疫力は腸で作られるために、地球環境が壊されている今重要なことは、腸内環境を守るためにも、年齢にあった食事をすることと思われます。
 最後に配布しました藤田絋一郎東京医科歯科大学名誉教授の書かれた本の「体がよみがえる『長寿食』」のプリントを参考にしていただき、ロータリアンの皆さんの健康を増進され、広島中央RCがさらに社会に奉仕できるクラブになることを願っています。

 

 

 



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