2020年07月20日

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第1871例会

 

 

リーガロイヤルホテル広島

ガバナー公式訪問「脇ガバナー卓話」

 

 

 

 

国際ロータリー第2710地区
2020-21年度 脇 正典ガバナー 

 

 

 

 「分け入っても分け入っても青い山」これは種田山頭火の代表作です。行乞行脚の旅に出て、熊本から宮崎にぬける深山の新緑の山道で読んだ句です。苦闘している自分自身の姿も表しています。「分け入っても分け入っても青い山」まさにロータリー道です。
 さて、私は国際ロータリー第2710地区ガバナーに就任しました防府RCの脇正典です。どうぞよろしくお願い致します。防府ロータリークラブからは白石民造PG、南園義一PG元RI理事に次いで3人目のガバナーです。
 2020年は、東京オリンピック・日本にロータリークラブが誕生して100年になるという記念すべき年でしたが、新型コロナウイルスの流行で多くの会合が中止となり、オリンピックも来年に延期となり、100周年の祝賀気分も少し薄れてしまいました。

 2020-21年度の国際ロータリーの会長はドイツのホルガー・クナークさん(クナーク会長の写真)です。190p近い長身ですので、恒例の会長との写真は大人と子供のようになりました(月報表紙写真)。
 クナーク会長の今年度のテーマは、”Rotary Opens 0pportunities”「ロータリーは機会の扉を開く」です。5つの中核的価値観(親睦・高潔性・多様性・奉仕・リーダーシップ)を大事にしながら、様々な扉をオープンにして、柔軟に、また、多様性を求めてロータリーを活性化して欲しいということです。
 クナーク会長は今年度の目標として、4つあげられています。1つは新しいクラブを作ること、2つ目は5年後のクラブを見据えて戦略を持つことです。3つ目は新会員を注意して選び会員を増加させることです。4つ目は、世界は今コロナ対策で手一杯ですが、ロータリー長年の念願である”END POLIO NOW”です。ポリオ根絶まであと一歩です。共に頑張りましょう。

 今年度のガバナー方針は「不易流行〜楽しくなくてはロータリーではない〜」です。
コロナの影響で人々の生き方・社会の在り方が変わってきました。これを良い機会とポジティブに捉え、新しいロータリー活動に繋げていけたらと思います。

 これを変えたらロータリーではない。不易の部分とは何でしょうか。色々ありますが、私が他の団体と一番異なると考える点は、職業倫理を重視することだと思います。今は誰でもロータリアンになっても良いという風潮ですが、自己の職業を重んじ、誰にも恥じない態度で社会に貢献する、自分を律するという点です。
 来年のNHK大河ドラマの主人公は日本の近代実業界の父と言われる渋沢栄一です。『論語と算盤』という渋沢の本がありますが、算盤即ち経営戦略は必要ですが、論語(儒教)の精神である人として正しい生き方をするという2つを両立しなければならないということです。
 儒教とロータリー精神は驚くほど似ています。共に人生訓・人生哲学です。四書五経の1つ易経に「積善余慶」という言葉があります。これは1908年シェルドンの提唱した「One(始めHe) Profits Most Who Serves Best」(最も良く奉仕する者、最も多く報われる)と同じだと思います。日本では天台宗の始祖最澄の言葉に「忘己利他」があります。これは1911年にコリンズが述べた「Service Above Self」(超我の奉仕)に当たります。
 人類不変の徳目を追求することが道(みち・どう)です。柔道・剣道等の武道から茶道・華道まで各々の道を究めようと努力しています。正に高潔性による徳望を希求するロータリー道です。中核的価値観とも合致しています。
 不易の2番目は「Nobles oblige」、高貴なる者の務めです。ロータリアンは少なくても普通の方より恵まれた立場です。世界で良いことをしようというロータリー財団に寄付をし、有効に活用しましょう。ビル・ゲイツはポリオ根絶活動に対し、全世界のロータリアンの寄付総額の2倍を寄付しています。桁違いの金持ちですが、相応の寄付をしています。地区としては、ロータリー財団に1人150ドル、米山奨学金に1人16,000円の寄付をお願いします。
 3番目は親睦です。ポール・ハリス以来、親睦と奉仕はロータリーの根幹です。奉仕が強調されて、義務のようになると堅苦しくなります。今はコロナで難しいですが、ロータリアン同士、仲良く会食し、奉仕活動すれば楽しくなります。最近は炉辺会合という言葉を聞かなくなりましたが、もう一度見直して下さい。特に新会員の居場所を作ってあげて下さい。
 4番目は家庭教育の重要性です。最近は教育が何でも外注化されていますが、教育基本法の第10条に「父母その他の保護者は、子の教育について第1義的に責任を有する」とあります。愛情に裏打ちされた家庭があってこその教育です。せめてロータリアンの家族はそうあって欲しいと思います。日本の将来は子ども達にかかっています。

 次に流行です。1905年にポール・ハリスがロータリークラブを作った頃、交通機関は馬車と蒸気機関でした。ハリスは「この世界は常に変遷する。われわれは変遷する世界と共に変遷する用意がなければならない」と述べています。変えてはいかなければ存続できない。時代に取り残されてしまいます。
 流行とは柔軟性を持つことです。その第1は多様性を認めるということです。各々のクラブが主体性を持って細則を決め、結果の責任を担うことです。例会のあり方、会員の多様性を認めることです。昨年5つでした公式訪問の合同例会、今年度はガバナー補佐さん各クラブ会長さんのご尽力で14になりました。
 第2は少子高齢化への対応です。人口減は社会経済の活力を減じますが、ロータリアンにとって喫緊の課題は後継者問題です。先ずご子弟が結婚され、子どもが誕生し、企業を継いでくれることです。ロータリークラブで婚活パーティーをするのも一つの方法です。
 第3は他団体との連携です。1992年社会奉仕に関するRI声明に「他の機関があり、それによって既に立派に行われている事業に乗り出すようなことはしてはならない」、「ロータリーの奉仕活動はなるべく現存の機関に協力する形で行うことが望ましい」とあります。例えば、識字教育については日本ユネスコ協会連盟の世界寺子屋運動があります。1998年から30年間に世界44か国に532校の学校を設置し、計131万人の人が学びました。資金は書き損じはがきを収集し換金しています。ロータリーも協力いただければと思います。他にもJC・商工会議所青年部・国際ソロプチミスト・ライオンズクラブ等の活動も考えられます。協力すれば大きな事業ができます。
 第4は会員増強です。特に欧米や日本等の先進国の会員は目に見えて減少しています。RIの危機感は相当なものです。このままではジリ貧になります。そのためには特に女性会員・若い人達に会員になってもらいましょう。世界のロータリー女性会員の割合は約24パーセントです。2710地区は約5パーセントしかありません。第一歩として、衛星クラブの設立が考えられます。
会員を増やすためには、ロータリークラブ・ロータリアンの魅力を高めることです。特にロータリアン個々の魅力です。ロータリーとは何ですかと言われたら、「私がロータリーです」と言えるように共に精進し、頑張りましょう。

皆様のご協力・ご支援をお願いしてガバナーとしてのご挨拶といたします。ありがとうございました。
 

 

参考文献

ポール・ハリス『ロータリーの理想と友愛』米山梅吉訳
ハロルドトーマス『ロータリーモザイク』松本兼二郎訳

 

 

 

 



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