2019年11月11日

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第1852例会

 

 

場所:リーガロイヤルホテル広島

クラブフォーラム

 

 

 

「ロータリー財団について」
R財団・米山奨学委員長 長場 誠 君

 

 

 11月はロータリー財団月間です。ロータリー財団の概略について説明します。大きな柱は,@ポリオプラス・プログラム,Aロータリー平和フェローシップ,B補助金の3つです。
  【ポリオプラス・プログラム】
 ロータリーは、1979年にフィリピンの子ども達にポリオ予防接種をはじめて以来、パートナー団体とともに活動を続け、全世界でポリオの発症数を99.9パーセント減らすことに成功しました。1988年に35万件だった発症数も2016年にはわずか37件となりましたが、撲滅活動はまだ終わっていません。活動資金の不足によって、ポリオ感染の危険が高い国で予防接種率が低くなる可能性があります。再流行が起きた場合、今後10年間に、毎年20万人以上の子どもがポリオによる身体まひの犠牲になると推定されています。撲滅に必要な15億ドルの資金を確保することが現在の課題とされています。
 世界ポリオ根絶推進活動(GPEI)では、主要パートナー団体がそれぞれ異なる役割を担っています。
世界保健機関(WHO)は「戦略担当」です。GPEIの実施と管理、各国保健省に技術面や運営面のサポート提供,活動成果のモニタリング、戦略の立案をします。
 米国疾病対策センター(CDC)は「ウイルス対策担当」です。疫学者、公共保健専門家、科学者を起用してポリオ流行について調査しています。ウイルスの種類と感染源を特定します。
 UNICEF(国連児童基金)は「予防接種担当」です。ワクチン購入と分配,予防接種の効用に関する認識向上を目指しています。UNICEFのフィールドワーカーは現地のヘルスワーカーやボランティアと共に予防接種を実施します。
 ロータリーは「アドボカシー担当」です。会員の持つ事業と専門職、ボランティアのネットワークを生かし、ポリオの認識向上、募金活動、地域社会の動員、政府や民間への支援の働きかけ(アドボカシー)を実施しています。これまでに100万人以上の会員がボランティア活動や募金を通じてポリオ撲滅を支援してきました。
 ビル&メリンダ・ゲイツ財団は「リソース担当」です。民間団体としてポリオ撲滅に最も多額を寄付しています。技術面でのリソースも提供します。
 GPEIの資料によれば、1985年〜2019年迄の総額は151億8548万ドルです。うち援助国は67億0093万ドル,NGO、民間団体は47億5157万ドル(RI:16億2562万ドル、ゲイツ財団:31億0549万ドル),多角的セクターは20億8481万ドル(WHO、世界銀行、アフリカ開発銀行、国連人道基金、JICA),被援助国は18億0509万ドルです。
  【ロータリー平和フェローシップ】
 平和は「人」から始まると考えるロータリーは、平和フェローシップ(奨学金)を通じて、世界平和と紛争予防の担い手となる人材を育て、平和推進者の世界的ネットワークを築いています。
 毎年、世界中から選ばれる最高100人のフェローが、ロータリー平和センター提携大学で学びます。フェローシップには、授業料・入学金の全額、滞在費(宿舎・食費)、往復航空券、インターンシップと実地体験の費用が含まれます。創設から10年あまりで、ロータリー平和センターは、平和構築の分野のキャリアを志す1,083人の人材を輩出してきました。その多くは、国連や世界銀行といった国際機関や草の根のNGOでリーダーシップを発揮し、より平和な世界を築くために活躍しています。ロータリー平和センターを卒業した人は、ほかのロータリープログラムの参加者と同様に「学友」と呼ばれます。学友の95%は、ロータリー財団に現在の状況を報告しており、そのうち88%は現在、「平和構築と紛争予防」の分野あるいは他のロータリー重点分野に関連する活動を行っています。その他の重点分野は、「疾病予防と治療」、「水と衛生」、「母子の健康」、「基本的教育と識字率向上」、「地域社会の経済発展」です。平和センター学友が活動している国は100カ国を超えています。また、平和センター学友の活動分野は,36%:NGO(非政府組織),15%:政府機関,8%:研究/学術分野、または平和関連の博士課程に在籍,8%:教師/教授,6%:国連機関,3%:警察、法執行機関,2%:ジャーナリズムなどです。
  【補助金】
 ロータリー財団は、人道的プロジェクト、奨学金、職業研修チーム(VTT)を支援する各種補助金を提供しています。グローバル補助金 は、ロータリー重点分野のいずれかに該当し、持続可能な成果をもたらす規模の大きい長期の国際的プロジェクトを支援します。支給額は15,000〜200,000ドルです。地区補助金 は、地元や海外で今すぐ支援を必要とするニーズに取り組む、比較的小規模で短期間のプロジェクトに利用できます。
 地区補助金(DG)は,小規模、短期のプロジェクト,地元または海外での活動,ロータリー財団の使命を支える活動,年に一度、地区に一括支給という特徴があります。
 グローバル補助金(GG)は,大規模(合計予算30,000ドル以上)・長期のプロジェクト,持続可能・測定可能な成果をもたらす,6つの重点分野に該当する活動,海外のクラブや地区と協力 ,国際財団活動資金からの上乗という特徴があります。
 シェアシステムはどのように機能しているでしょうか。年次基金は3年間投資されます。この3年間に資金は地区の資金と国際的な資金に50対50に分けられます。この基金の地区の部分は、「地区財団活動資金」と呼ばれます。地区補助金を通じて、地区はクラブと地区のプロジェクトのために、そのDDFの50%までを使うことができます。残りのDDFは、グローバル補助金やポリオプラス、ロータリー平和センター、他地区への寄贈として使われます。もし、DDFが支給された年度に使われなければ、地区の残高に累積され、その後は、グローバル補助金にしか利用できません。国際財団活動資金寄付は、グローバル補助金とのマッチングに使われます。以前はパッケージグラントの資金供給のためにも使われました。国際財団活動基金はDDFとは1対1でマッチングされ、現金とは0.5:1となります。地区補助金は、どのような額でもかまいませんが、グローバル補助金は3万ドル以上でなければなりません。
 以上のとおりロータリー財団の活動は重要なものです。今後ともご協力をお願いします。

 

 

 



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