ロータリー章典40.010には、ポリオプラスは国際ロータリーの特別プログラムであり、撲滅の認定が達成されるまでは、ほかのすべてのプログラムに対して優先される、と記載されている。
まず、ポリオという病気の解説を行った。紀元前1350年ごろエジプトの壁画に片足の筋肉が萎縮し杖をついて歩行する人が記載されており、これが歴史上最初のポリオ患者と考えられている。ポリオは医学的には“急性灰白髄炎”が正式名称で、小児に罹患することが多いことからかっては小児まひとも呼ばれていた。病原体のポリオウイルスが脊髄の灰白質に入り込み神経細胞を傷害して筋肉を麻痺させてしまうため、萎縮して手足が細くなる。呼吸筋も麻痺させると呼吸不能となり死亡するため、1960年代までは“鉄の肺”にて管理していた。ワクチンが普及するまでは年間35万人余りが罹患し、日本では1950年代から60年代にかけて大流行した。治療法はなく、予防接種が唯一の対応策であった。なお、ポリオは感染した人の排泄物で汚染された飲料水や食品などを通して広まる腸内ウイルスである(ロータリーの友:2018年11月号18-27頁)。
予防接種には、経口弱毒生ワクチンと注射不活化ワクチンとがある。前者は、接種に技術はいらず簡便かつ安価であるが、副作用があり1人/440万人投与の割合でポリオを発症する。後者では、副作用はない。
|