2017年11月27日

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第1772例会

 

場所 : リーガロイヤルホテル広島

創立39周年記念例会 ゲスト卓話
「本邦で増え続けている大腸癌
   〜 内視鏡による早期発見と優しい治療による根治を目指して〜」
広島大学大学院医歯薬保健学研究科 内視鏡医学
広島大学病院 内視鏡診療科
教授 田中 信治 様

 

 

 

 

 高齢化社会をむかえ本邦の癌による死亡者数は年々増加傾向にあります。ちなみに,癌死亡者数は,男性で,@肺癌,A胃癌,B大腸癌,C肝臓癌,D膵癌,女性では,@大腸癌,A肺癌,B胃癌,C膵癌,D乳癌の順に多く,消化器癌,特に消化管の癌が多数を占めております。また,男女合わせた集計では,大腸癌が死亡率の第2位に位置し,癌の罹患率では大腸癌が第1位になっています。そして,外科の先生が根治的手術を相当数行い,我々内視鏡医が相当数の早期癌に対する内視鏡治療を行っているにもかかわらず,毎年胃癌で約5万人,大腸癌で約5万人以上の方が死亡しているというゆゆしき現状があります。現在,本邦の大腸癌死亡率は米国ほかの先進諸国の中でトップに位置しています。
 大腸癌が本邦で増えているのは,食生活の欧米化が進んだことと本邦が世界に冠たる長寿国で高齢者が多いからですが,大腸癌死亡率が欧米先進諸国よりも高いのは,検診受診率が極めて低いからです。本邦の消化器内視鏡医学は世界の最先端を走っているにもかかわらず,このような実情は極めて遺憾であります。
 本講演では,大腸癌の疫学,検診の実態,組織発生・発育進展を概説し,近年急速に進歩している最新の内視鏡診断学,そして癌に対する内視鏡治療技術の実際について症例をお見せしながら解説し,大腸癌の早期発見と内視鏡による治療がいかに重要であるかについて詳しくお話ししたいと思います。


 

 

 

 



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