2017年は、ロータリー米山記念奨学会が財団法人化して50周年になる。2018年2月4日には東京で記念式典が開催される。
今回のフォーラムでは、前半は米山記念奨学会作成の50周年記念ビデオ(15分)を鑑賞し、後半は米山記念奨学会についてスライドで説明した。50周年記念ビデオ、スライドを通して、米山記念奨学会の成り立ちと財団設立の経緯を学んだが、米山の精神は“アジアから優秀な学生を招いて学費を援助し、二度と戦争の悲劇を繰り返さないために“平和日本”を肌で感じてもらいたい“、というものであった。当初、年間59人の奨学生数は増加し、2017年には793人、累計19,808人に達しており、この事業は外国人留学生に奨学金を出す民間団体では日本最大である。奨学生の国・地域別の割合は累計では中国、韓国が多いが、近年ではベトナム・モンゴルの留学生が、以前に比べて増加している。
米山奨学事業唯一最大の財産は“学友”で、巣立ったOB組織の米山学友会は、国内に33、海外にも台湾・韓国・中国・タイ・ネパール・モンゴル・スリランカ・マレーシア・ミャンマーと、9つの学友会がある。各学友会ではさまざまな活動をし、台湾学友会・韓国学友会では同国で学ぶ日本人に奨学金支援もしている。また、2万人にせまる学友たちは、豆辞典、『米山学友の群像』などで紹介されているように世界の各方面で活躍し、2011年の東日本大震災では国内外の学友から760万円の義援金が送られ、また米山へも学友から3,032万円の寄付を受けている。ロータリアンになった学友数は227人、学友が中心となって設立したRCも国内外にあり、ガバナーになった者も3人いる。ロータリアンが海外で何か活動しようとするとき、その国には米山学友がおり、様々な形での支援を受けることも可能である。日本語で話をすることができ、ロータリーをよく知る学友は、文字通り、日本と母国との懸け橋となっている。
米山奨学会の人づくりの事業は、ロータリアンの寄付で行われている。2016-17年度、普通寄付金と特別寄付金を足した寄付金総額は13億7,305万円で、前年度から約2億円の減少となったが予算額は達成し、黒字となった。米山では、寄付金はすべて奨学事業に使用するのが原則で、来年2018学年度の採用枠は820人としている。地区別の個人平均寄付額を見ると、第2710地区は全国平均をやや下回っており、一人平均12,472円、全国で第22位であった。米山への寄付は、所得税・法人税の税制優遇が受けられる。なお、ガバナーが掲げる当地区の今年度目標額は、1人当たり20.000円となっている。
今年度も、米山に触れ、米山を知り、米山を支援する一年にしてくださいますようお願いします。
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